放射線治療とは
放射線治療は、がん細胞に放射線を照射することで腫瘍を縮小・制御する治療法です。
外科手術が困難な場合や、手術後の再発予防、痛みや神経症状の緩和を目的として行われます。
適応となる主な疾患
犬や猫では、以下のような腫瘍に対して放射線治療が有効です。
- 脳腫瘍
- 鼻腔内腫瘍
- 口腔内腫瘍
- 肥満細胞腫
- 軟部組織肉腫
- その他、局所制御が必要な腫瘍
腫瘍の種類や進行度、全身状態を総合的に評価し、適応を判断します。
治療の流れ
- 診断・治療計画
CT検査などの画像診断を行い、腫瘍の位置・大きさを正確に把握します。
正常組織への影響を最小限に抑えるよう、照射計画を立てます。 - 放射線照射
1回あたり短時間の照射を、複数回に分けて実施します。
照射中は動かないよう、全身麻酔または鎮静下で行います。 - 経過観察
治療期間中および終了後は、定期的に診察を行い、副作用や治療効果を評価します。
副作用について
放射線治療は比較的安全な治療法ですが、以下のような副作用がみられることがあります。
- 照射部位の皮膚炎(赤み、脱毛など)
- 一時的な食欲低下や元気消失
- 照射部位周辺の粘膜炎
多くの場合、一時的かつ対症療法で管理可能です。
治療前に十分な説明を行い、慎重に対応します。
放射線治療の目的
放射線治療は、必ずしも「完治」を目的とするだけでなく、
- 腫瘍の進行抑制
- 痛みや神経症状の軽減
- 生活の質(QOL)の向上
といった緩和的治療としても重要な役割を果たします。
飼い主さまへ
放射線治療が最適かどうかは、症例ごとに異なります。
当院では、飼い主さまのご希望と動物の状態を尊重し、最善の治療方針を一緒に考えていきます。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。